犬が骨折した時

病院では骨折の「治療」はしてくれるけど、その部位をかばう動き、カラダの使い方によって余計な負担がかかるようになった他の部位については、
特に「治療」が必要というわけでもないのでその辺りの「ケア」は飼い主さん任せという事になります。

この「ケア」の部分を怠ると、骨がくっついても以前と全く同じようにカラダが動かせるようになるとは限らないので、
「治療」と「ケア」はセットと捉え、同時期からスタートする事オススメ致します。

 

骨折によりカラダの使い方が変わる

骨折部位は骨がくっつくまでギブスやそえ木で固定します。
外力がかからないようしっかり固定されるので、骨折部位は動かし使うことはできません。
なので、カラダの別の部位が動きの肩代りをすることになります。
このように骨折することによってカラダの使い方は変わるのです。

 

動きの肩代わりをしている筋肉は過度な負担で痛みが出やすくなります。
また、固定により動かさない筋肉と肩代わりして沢山動かす筋肉といった筋肉の偏りも生じてきます。
そしてこの偏りはカラダの歪みにも繋がっていってしまいます。

なので、骨折したら骨折部位の「治療」と併せて骨折により変わってしまったカラダの使い方を考慮しての「ケア」が必要になってくるんですね。

 

 

ケアが必要な部位とその理由

例えば
左前肢を骨折したら、反対側の右前肢にかなり負担がかかるであろうことは容易に想像がつくかと思います。
骨折している左前肢に体重乗せられないので
必然的に右前肢に重心が乗る使い方となり、
歩幅も足上げの高さも小さくしか動かせなくなります。

骨がくっつくまでの長い間、そんな歩様をずっと続けていたら・・・
筋肉はガチゴチに凝り固まり
関節可動域は狭まってしまいます。

さらに
ワンコは四つ足動物なので影響は後肢にも及びますし、
四つ足を支えている体幹部にも影響は及びます。

 

また、四肢の役割から考えてみると
前肢はカラダを支える役割、後肢は推進力を生みだす役割が大きいので
前肢の骨折では体重を支えることが難しくなるので厄介度も高くなります。
特にカラダの大きいワンコは重い体重を支えきれなくなるのでかなり大変です。

後肢の骨折では前重心強めにしての前肢頼りでなんとか歩くことはできますが、
前肢の負担はかなり大きくなります。
前肢に重心を置きやすくために頭を下げた姿勢をとるようになるなど、
前肢以外にも影響は及びます。

 

影響が出るカラダの部位は1箇所だけではない

このように骨折により影響が及ぶカラダの部位は1箇所だけではないのです。
ヒトの場合でも同じことが言えるので、
試しに片足を引きずるように歩いてみると気付きやすいです。

重心は反対側の足に乗っていて、
肩や腕を振り子のように振り回し、
腰をひねり、体を上下させながら歩いていることに気づかされます。
常にこのようなカラダの使い方をしていたら
あちこちに影響が出そうだと思いませんか?

 

「治療」と「ケア」はセットで行うことが大事

「ケア」を怠ると「治療」で骨折が治っても、
カラダの使い方のクセにより生じたカラダの歪みや
凝り固まって動きづらくなった関節の可動域は狭いまま。

それではやっぱり動きづらいですよね。


なので「治療」「ケア」は同時期に、セットで行っていくべきだと思います。
自己流のケアではやはり限界もありますので、骨折時のケアでは整体を試してみるのがいいですよ。

 

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