寝たきりワンコのケアについて
犬の整体BONJOURの永吏です。
ヒトは1週間寝たきりの状態が続くと10~15%、3〜5週間では約50%もの筋力低下が起きると言われています。
諸説ありますがヒトとワンニャンの標準年齢換算表から算出すると
ワンニャンの1日はヒトの3、4日分に相当するとも言われているので
ワンコが寝たきり状態になった時の筋力低下スピードはヒトのそれよりもっと早そうです。
前回はまだ動けるシニア期のワンコのケアについてお話させていただきましたが、
今回は特に獣医から施術ケアにより病状が悪化する可能性のある疾患と判断された場合以外での
寝たきりワンコのケアについてのお話をしたいと思います。
寝たきりになるとは
骨折でギブス固定したことのある方は
ギブスを外した時
その部位が痩せ細り、
関節も動かなくなっていたという経験をされているかと思います。(←私も経験あり)
筋肉は長く動かさないでいると痩せて萎んだように縮み
関節は動かなくなります。
なので
病気や怪我、加齢などで
長くカラダを動かさない(=筋肉を動かさない)
安静状態が続くと
カラダは動かせなく(=関節は動かせなく)なってしまいます。
単に「カラダが動かなくなる」という問題とは違う
寝たきりになるということは 単に「カラダが動かない」という運動機能だけの問題ではありません。
筋肉には「筋ポンプ」という血液を循環させる働きや
「熱を生む」という働きもあるので
全身の血液循環が悪くなる、
四肢の末端が冷えがちになる、
基礎代謝が下がる、
体温が低めになる、
といったように循環器系にも影響が出てきます。
常に横向きの姿勢で寝ていれば
呼吸に関わっている筋肉も動かしづらくなって
呼吸も浅くなりがちになるなど
呼吸器系への影響も起きてくるし、
動かないからお腹もあまり空かないし、
水分もあまり欲さない。
なので便秘にもなりやすくなるし、
体重も減少しやすいなど
消化器系の問題も起きやすくなります。
整体は動けるワンコのためだけのものではない筋肉のケア術
そこで行ってあげたいのが筋肉のケア。
これらの症状の緩和や予防としてできるとてもカラダに優しいケアです。
筋肉をほぐして
温めて
血行を促進し、
動かしてあげる
カラダに優しい温活ケア。
実際、私もほぼ寝たきり状態、寝たきりワンコの施術を担当させていただき、
こういった全身状態を筋肉のケアによりサポートしていくお手伝いをさせていただいています。
施術にあたり
沢山の嬉しいお声を飼い主さんから頂戴し、
変化も目の当たりにしてきました。
細く痩せてスジばってしまった筋肉へのアプローチになるので
そこは自己流ではなく
訪問による整体施術がやはりオススメです。
施術をしてもらいながら日頃のケアアドバイスを沢山してもらうのがいいと思います。
筋肉のケアをしないでいれば
カラダは次第に鎧を着たようにガッチガチに固まっていきます。
その状態では当然カラダも節々も痛むであろうし、
呼吸だって浅くなるでことは想像つくかと思います。
ヒトだって長いこと病気で床についていたとか、
休みの日に寝過ぎたりすると
腰や首、頭が痛くなったりしますよね?
ワンコだってそれ同じだと思うのです。
凝り固まった筋肉を緩めて
様子を見ながら少しずつ動かし
節々のこわばりをほぐしてあげると
「施術の後はヒンヒン言うことなくぐっすり寝てくれるんです」
「寝ている時の呼吸がとても穏やかで楽そうです」
「自力で頭上げれるようになりました」
「施術の後はご飯結構食べてくれるんです」「お水飲んでくれるんです」
「いいウンチしてくれるんです」
といったお声を頂戴します。
寝返りを打たせてみると足はピンと床に平行に伸びたまま
曲げることも
床に着けることもできず
足を宙に浮かせて開いた状態で固まってしまっていたら、
痛いよぉ、辛いよぉって声もあげたくなるはずだし、
呼吸もしづらいはずです。
根気強く筋肉ケアしてあげれば、そんなシルエットだって変化していくこともある。
施術で動きが出てくるなり、
全身の血液循環が上がってくれば
内臓だって動き出してくれるだろうし、
代謝も上がってくるはずです。
実際、施術中に排泄やオナラをするワンコはすごく多いんですよ。
寝たきりになってしまったから
手の施しようがないとの宣言を受けてしまったから
と諦めてしまう必要はありません。
お空へ旅立つその日が訪れるまで、
少しでも快適な日々が送れるようにできるケアはまだあります。
試してみる価値のあるケアだとは思いませんか。
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