犬のカラダをもっと知ろう

ワンちゃんの骨格図鑑

骨格図一覧
前面・前脚
背面・後ろ足

骨の働き

ヒトの骨の数が約200個なのに対しワンちゃんの骨の数は約300個以上(尾骨の数等犬種により骨の数には違いがあります)あると言われています。
カラダを形成している「骨格」とはどんなもので、どのような働きを司っているのかをまとめました。

○カラダを支える(支持)
骨がなければカラダはフニャフニャです。カラダを支える支柱の役割をしています。

○内蔵を守る(保護)
衝撃に弱い脳や内臓等の重要な臓器器官を収納し、保護しています。

○運動の支点となる(運動)

骨格は様々な大きさ、形の骨が骨格筋と呼ばれる筋肉や靭帯でつながり組み合わさってできています。
骨の連結部分である関節が支点となり、骨に付着した骨格筋が伸びたり縮んだりすることにより運動が起こります。

○血液を作る(造血)
胸骨、肋骨、脊椎、骨盤などの骨髄で赤血球や白血球を作っています。

○カルシウムやリンを貯蔵する
カラダの働きに必要なカルシュウムやリンを骨の中に蓄えています。血液中のカルシウムが足りなくなると骨から取り出し、多すぎる時は骨に貯蔵する仕組みになっています。

 

ワンちゃんの筋肉図鑑

筋肉図一覧
正面・腹部側上部(肩,胸部)の筋肉図
背面・後脚内側の筋肉図

筋肉の働き


<筋肉は3種類>
心筋
心臓だけにある、自分の意志で動かす事ができない不随意筋

平滑筋(へいかつきん)
血管、気道、胃、腸などの管状の壁や子宮、膀胱、胃などの袋状器官の壁などにみられ、内蔵筋とも呼ばれている。自分の意志で動かす事ができない不随意筋

骨格筋
自分の意志で動かす事ができる随意筋で、骨に付着している筋
骨格筋繊維の種類の違いにより遅筋(赤筋)速筋(白筋)に分けられ、どちらの割合が高いかは遺伝的要素が大きいと言われています

−遅筋(赤筋)
赤色をした長時間的に力を維持する筋肉。持久力はありますが瞬発力はありません。
魚を例に挙げると回遊魚で止まる事なく泳ぎ続ける赤身のカツオなど
−速筋(白筋)
白色をした瞬間的に大きな力を発揮する筋肉。瞬発力はありますが持久力はありません。
魚を例に挙げると砂に潜んで小魚を瞬時に捕食するタイプの白身魚のヒラメやカレイなど

因みにワンちゃんはどちらかというと赤筋優位と言われています。(勿論ヒトが人種によりその割合が違うように犬種によりその割合にも違いはありますが)

<付着する場所による分類>
アウターマッスル(浅層筋)
外側から触れる事ができる体の表面にあたる部分、外側にある筋肉
速筋(白筋)多め
大きな運動(動き)に関与し筋自体も大きい

インナーマッスル(深層筋
外側から触れる事ができない体の内側にある筋肉
遅筋(赤筋)多め
主に姿勢保持や関節の固定の役割をする比較的小さな筋群(呼吸を制御する筋群もここに含まれる)

<筋肉の役割>
日頃私達が「筋肉」と呼んでいるのは、骨格に付着してカラダを形成している「骨格筋」です。そこで、この筋肉(骨格筋)はどのような働きを司っているのかをまとめました。

カラダを動かす(運動)
「運動」というと全身運動、スポーツをイメージしがちですが、座る、立ち上がる、首を振るなどの日常動作全てにおいて、筋肉が伸びたり縮んだりすること(筋肉の収縮)によって関節の曲げ伸ばし作用が働き、カラダを動かす事ができているのです。

熱を生む(熱の産生)
筋肉の収縮によって熱が生まれ、体温が維持されています。また、筋肉は使っていない間もエネルギーを消費(基礎代謝)し、熱を生んでいます。

ここでちょっとマメ知識
筋肉は体温の約7割を作り出していると言われています。安静時の体温が上がると免疫もUPすると言われていますから、そういう意味でも筋肉をつける事、筋力を維持する事は大変有意義です。
日頃使われていない筋肉は無駄にエネルギーを消費するだけで燃費が悪いとカラダは判断し、その筋肉を削ぎ落していきます(廃用性筋萎縮)。なので筋力維持の為に日頃から筋肉をしっかり使ってあげる事が大切です。特に高齢のワンちゃんは寝たきりのカラダを作らない/加速させない為にも足腰を動かす事、日頃のお散歩であったりリハビリや筋トレがとても重要になってきます。

体を支える、姿勢の維持(支持)
筋肉の収縮により関節が固定されて安定し、姿勢を保つ事ができます。

外部の衝撃からカラダを守る(保護、壁)
衝撃を吸収して内蔵や骨、関節を守ります。
筋肉がある事によって骨折のリスクは少なくなります。筋力維持は本当に大事なことなのです。

循環機能の補助(筋ポンプ)
筋肉の収縮&弛緩がポンプの働きをし、静脈中の血液が心臓に戻るのを助けます(血液の循環)。「脚は第二の心臓」と呼ばれるのは、特に脚の血液は重力に逆らって下から上にあがってこなくてはいけないので脚の筋肉のポンプの役割が非常に重要となっているところからです。
その他にも食物、尿、胆汁、酸素など、体内の物質の貯蔵・運搬において重要な役割を果たしています。